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探究教育とソーシャルシンクタンク

「自分軸」の人たちで、社会を変える場を作りたい

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「社会は変えられる」と考える人たちが活躍し始めた

小田:ひところと違って、企業の事業計画に「社会課題の解決」という言葉がかなり使われるようになってきましたね。

炭谷:そうですね。以前はそうした問題に本業の中で取り組もうという会社は多くなかったんですが、ずいぶん景色が変わってきましたね。最近は特に、環境問題や社会問題の解決を目的とした起業家が次々と立ち上がっているところにも表れていますね。

小田:そう思います。たとえば会社の中で、本気で環境問題に向き合いたいという人が、以前は肩身の狭い思いをしていたんですが、とくに菅政権の脱炭素宣言以降、事業部門で発言力を持つようになってきたように思いますね。

炭谷:社会は変えられる、と考える人がいろいろなところで活躍する兆しですね。2010年に出した『ゼロからはじめる社会起業』は発売からしばらく経ちますが、手に取ってくださるかたが増えているのを実感します。自分たちで社会は変えられると思って行動する人たちが、確実に活躍する時代になってきましたね。

個人事業も中小企業も、国際情勢が無視できない。

小田:廃棄物の問題とか、食料の問題とか、本業で向き合っている方の数は確実に増えたんですが、かなり心配なのが、圧倒的に、国際的な動きへの感度の不足なんです。良かれと思って推進した技術開発が、世界のルールで否定されるというケースも実際に目にしてきましたし、地政学的なリスクで、調達したい材料が入ってこないといったこともしばしば起きています。

炭谷:小さなビジネスであったとしても、国内の状況だけしか関係ない、というものはこれからほとんどなくなるでしょうし、こうしたことは「どこかの誰かが教えてくれるのを待っていればいい」ということもあり得ないですね。

小田:ええ、僕は毎日のように国外の公的な一次情報に触れているのでわかるんですが、日本語のメディアに載る情報は限定的で、かなり鮮度がよくないものがあります。そもそもライターや編集者のバイアスもかなりあるんですね。翻訳技術がかなり発達したので、アラビア語でもなめらかな日本語で読める時代ですから、必要な情報を能動的に取りに行くという姿勢一つで次の動きがまったく違ってきます。情報収集力と、洞察力、この二つはビジネスの素養に必須になってきたと実感しています。

正解主義から抜けるカギは「探究心」。

小田:ところで、このところ「答えのない課題に対して自ら答えを出せ」と言われるようになりましたね。しかし、私たちは幼少期から何らかの「正答を出すことでの評価」を受け、外からの期待に応える努力をしてきました。ここに大きな学びの溝がありますね。

炭谷:最近よくある傾向ですね。進めようか迷っている事業や企画に対してのYesとNoは、調べてわかるものではなく、「考えて答えを出す」ことがらですが、「似たような立場の人は?」「その道の権威は?」などと、延々と答えを外部に探してしまう。どのような要件を満たせば進めるのか。どの程度までリスクを許容できるのか。自分の軸を決めてから検索するべきなんですが、調べるのと答えを出すのを混同してしまう。

小田:慣れ親しんだ正解探しから脱却できない人は、いったいなにから始めればいいのか戸惑うと思います。炭谷さんは長年の探究教育実践の中で、そのカギになる部分はどう表現されますか。

炭谷:一言で言うなら好奇心を出発点にした「探究心」でしょうね。​20年以上の探究教育を通じて、自らのやりたい、知りたいという気持ちがひとを劇的に変えていくという現場をずっと見てきました。これは、なにも子供に限ったことではなく、大人も同じです。ひとたびそのエンジンに火が付くと、能動的に考え、行動できるようになっていきますから。

小田:なるほど、子どもたちの学びをヒントに大人世代の教育も変えていけるということですね。

炭谷:そうですね。さらに言うなら、大人の場合は、自らのやりたいことが、社会や自然環境にどのような影響をもたらすかといった、メタな視点と、自分とは異なる考えを持つ他者とともに、答えを「創っていく」という合意形成も身に着けていただきたい。そういう新しい時代を創るリーダーがここからどんどん産まれることを期待しています。​

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<修了生によるプロジェクトを随時掲載予定>

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